GRC18分科会より:「ビジネスと信仰生活」(2)

5月に行われたGRC18(Global Returnees Conference)での分科会より、新納真司師による「ビジネスと信仰生活」を2回に分けてお届けしています。

1回目はこちら

 


 

「ビジネスと信仰生活」(2)
新納真司
(横浜都筑ニュータウンチャペル協力牧師・上海JCF顧問牧師)

目次

0.自己紹介
1.ビジネスと信仰生活
(1)職場での証しについて
(2)汚職
2.キリスト者の労働観念
(1)創世記
(2)第Ⅰペテロ2:9
3.ビジネスパーソンの強み
(1)世との接点/鹿子木宣教師
(2)グローバルマインド
4.できれば会社経営しなさい
(1)管理者としてのマインドセット
・不正な管理人
(2)いくらで生活するか
(3)貯金から始める

 

(つづきです)

 

3.ビジネスパーソンの強み

(1)世との接点/鹿子木宣教師

FX※3トレーダーであり、講師としても有名な鹿子木健(かなこぎたけし)氏をご存知ですか?この人はもともと中国宣教師です。中国の真ん中辺にある蘭州というところで、宣教していました。中国は宣教師ビザがありませんので、中国に住むには仕事をしていないと長期滞在することができません。それで、鹿子木先生は自分で会社を立ち上げて、便利屋のようなことをして生活の足ししていました。ある時土地を手に入れて売買したらそれが高く売れました。それで、不動産ビジネスを始めたら中国人ビジネスマンがどんどん集まってきます。そこで証しをすれば救われてきます。いままで、宣教師としてどんなに伝道してもそれほど成果が上がらなかったのに、ビジネスマンとして語ると、中国人ビジネスマン耳を傾けてくれ、彼らは福音を必要としていることが分かったのです。その後、彼が日本でFPネットというFXをやるクリスチャンの社長の松島修さんに出会いました。その社長のセミナーにはどんどん人が集まって来ます。人には「繁栄と富をもたらす王様マインドとうまくいかない奴隷マインドがある」※4とはいつも自分の国の民の幸せのことを考え、彼らがどうしたら幸せに暮らすことができるか、何を与えたらよいか考えています。奴隷マインドとはいつも自分が損しないように、疑い深く人をみて、何か自分が手に入れるものはないかと探しています。あなたはどちらですか。で、結局王様マインドを持ったの所に富やお金が集まって来ます。もちろん統計的に学んだFXの技術も教えますが、最終的には王様マインドを持っているか奴隷マインドを持っているかで決まるのです。簡単に言えば、王様マインドを得るには、キリスト信じ生まれ変わることです。そうすると、FXで失敗してきた人が、そうだったのかと悔い改めてキリストを信じるようになる。それで、いろいろなFXのセミナー会場でビジネス講演をしながらもクリスチャンが増えている。これは教会よりもたくさんの人が救われているのではないか。そういう現場を見て来た鹿子木氏はそこで学ばれて、今はFXトレーダーや講師として活躍している。彼は再びビジネスマンとしてかつ宣教師として中国に戻りたいと言っています。

「キリスト・イエスは、罪人を救うためにこの世に来られた」ということばは、まことであり、そのまま受け入れるに値するものです。私はその罪人のかしらです。(1テモテ1:15)

わたしが来たのは世を裁くためではなく、世を救うためだからです。ヨハネ12:47

ビジネスパーソンの強みは何でしょう、ノンクリスチャンとの接点です。いま、教会は世との接点をどんどん失っています。伝道しなくなっています、教会はクリスチャンの憩いの場にはなっているかもしれません。近所にコンビニができると、みんなに喜ばれるけれど、教会が出来ても「喜ばれないのではなく」気が付かれない。ビジネスパーソンには世に対して接点を持っています。実はこれが強みなのです。

(2)グローバルマインド

グローバルという言葉は最近は珍しい言葉ではありません。

世界中には中国やベトナムのように宣教師が入っていくのに困難な国がたくさんあります。宣教師にとって、ビザはいつもボトルネックになります。ところが、日本のビジネスパーソンはどんな国にも入っていけます。実は日本のパスポートは入って行ける国や地域の数で世界1です。※5日本人であることがどれだけ世界に対して開かれているのか、これは神様からの特別な祝福だと思うのです。神様の思いは地球全体の福音化、だから私たちも地球全体を視野に入れなければならない。

4.できれば会社経営しなさい

(1)管理者としてのマインドセット

・不正な管理人のたとえ

「できれば会社経営しなさい」とタイトルをつけたのですが、「え!」という感じでしょう。

「今、定年退職していくらあれば老後を余裕もって過ごせるか」という記事をよく見ます。「最低1500万とかリスクをかんがえると3000万とか」。最近では1億とかもあります。※6そんなお金一体どこから出てくるのかという金額ですが、結論として少しでも長く働きましょうという勧めが一般的です。

会社では50過ぎると役職定年とか、出向とか。定年になる前にも職場がどんどん変わります。定年になり60過ぎて働こうとすれば、給料は以前の半分、1/3だったりします。会社人生も決して安泰ではありません。

けれども、自分で仕事を始めれば定年はありません。私の父は普通の会社員でしたが、60も後半になって会社を作りアパート経営を始めました。自営業ですから結局90過ぎまで仕事をして収入がありました。

日本人が日本で会社作るのは簡単です。法的には資本金も1円から出来ます。自治体では起業のアドバイスがあったり、お金の融資制度まで整っています。本当に親切な国だと思います。

教会ではお金の話はあまり出てこないのかもしれませんが、聖書にはお金のことについていろいろ出てきます。不正な管理人の話をご存知でしょうか。

ルカ16:10小さいことに忠実な人は、大きい事にも忠実であり、小さい事に不忠実な人は大きい事にも不忠実です。11ですから、あなた方が不正の富に忠実でなかったら、だれがあなた方に、まことの富を任せるでしょう。

10節はよく読まれますが、11節が読まれることはありません。理解しにくいからです。特に不正の富に忠実でなかったらというところが理解できません。聖書は不正の富を勧めているのか?誤訳ではないのか?どのように理解するか?これはこのように考えます。不正の富に対比する言葉があります。それはまことの富です。すると富には2種類ある。不正の富とまことの富がある。まことの富とは天国の富です。何故まことかと言えば、無くならない、減らない、盗まれない、いつまでも価値を保ち続ける富だからです。それに対して、不正の富とはこの世の富です。この世の富は、無くなります、減ります、盗まれます、価値は保たれません。だから、この世の富は小さなものなんだ。それで、10節、小さい事に忠実な人は大きなことにも忠実、小さな事に不忠実な人は大きなことにも不忠実です。では、ここでいう小さなこととは、何を指していることになりますか。この世の富を指していることが、文脈からとみ取れます。

神様の意図は、この世のお金も管理できないなら、天国の富も任せられないよ。つまり、この世のお金もしっかり管理しなさい。抜け目なくやりなさいというのが、不正な管理人と呼ばれるルカ16:1-13節のたとえ話です。これは金の亡者になれと言っているのではありません、神のために正しい使い方をするよき管理者であることを求められているのです。

だから、「できれば会社経営しなさい」というのは、先ほど話したような勤め人には年齢と共に限界がありますよ、自由度が少ないですよ。自分で始めれば、いつまでも働けますよ、働き方に自由度がありますよ。皆さんどっちがいいですか。

(2)いくらで生活するか

なぜ、会社を経営するのか、定年後の生活もコントローラブルであり、しっかりと主に奉仕できるためです。こういうことは、定年になってからゆっくり考えようというのでは遅いのです。どういうビジネスをするのか、働いている内から考えて準備しておくことが大切です。私が今通っているBBT大学院は全員社会人です。仕事しながらかつ勉強もしようとする人ですからかなり意欲的な人たちの集まりです。MBAをとって、よりよくビジネスをしたい、昇進に役立てたい、起業することを考えている人もいます。クラスは47人で、平均年齢は40歳です。40代の銀行員も、50歳過ぎてラインに残っていなければ出向になります。メーカー勤務で部長職でも、52を過ぎると役職定年になるそうです。60歳の定年まで会社に残ってそれでも生活はできるのだろうけれど、そのような生き方に疑問を感じています。それで資格を得て有利な転職を狙ったり、企業することも考えているわけです。このように、今たとえ会社で良い思いをしていても60歳には終わってしまいます。しかし人生100年時代と言われるようになって、どうやって残りの30-40年を生きるのか?

定年後速やかにまたはそれ以前に起業することです。会社を作るなどというと従業員がたくさんいて、毎年売り上げを伸ばしていくようなイメージを持つかもしれませんが、会社を大きくする必要はありません。ここは逆の発想をしてください。一体自分は毎月いくらあれば生活できるのか。そのために一体いくら稼げばいいのか。そして、それに見合うビジネスを組み立てていくのです。従業員はいりません、経営者一人いれば実は大抵のことはできます。※7

(3)企業のために貯金を始める

会社を作ることは簡単ですが、経営していくには資金が必要になってきます。それで、早いうちから貯金しておくことを勧めます。例えば、40歳から月々3千円の投資信託を始め、4年目から5万円にグレードアップすれば、50歳で500万円、60歳には1200万円の資金がたまります。※8

どのような仕事をするのかは、人それぞれ賜物やキャリアを活かしたものがあるはずですし、本屋に行けば一人でできる仕事がどのようなものがあるか参考になるものがあるでしょう。あれこれと考えて準備するのも楽しい時間となるでしょう。またある人には、数人が集まって仲間と協力してもっと大きなビジネスプランを立てられる人もいることでしょう。私の所属する教会では、農業を学んだ姉妹が農民となり、都市部ですが農地を借りて無農薬野菜を作り、販路を確保し動き始めました。そして農業法人をたて、安全な農作物を届けることを使命としています。将来は障碍をもつ人が働けるよう社会福祉法人の取得も目指しています。そしてこの働きを教会が全面バックアップしようとしています。

目指すものは、このように自分のビジネス持つことにより、老後の不安を積極的に解決しようとしかつ社会との接点を伝道に活かし、経済をもって宣教師を支えたり、生涯主に奉仕しし続けることです。そして天においては主に「よくやった」と言われ、まことの栄冠を得ることです。

 


※3FXとは外国為替証拠金取引のこと、円やドルを売買することにより差益を得る仕組み

※4「王様マインドと奴隷マインド王様マインド」 松島修 株式会社サンマーク出版

※5 イギリスの「ヘンリー・アンド・パートナーズ」社が発表した2018年版のパスポートランキングにおいて、日本パスポートが世界最強の座に輝きました(シンガポールも1位タイ)。上記ランキングによると、日本人旅行者がビザなしで渡航できるのは、世界189か所(2018年9月19日現在)

※6 クレジットカードの読みもの 結局老後資金っていくら必要なの?…

※7「会社は一人で経営しなさい」 山本憲明 明日香出版社

※8「3000円投資生活」 横山光昭 アスコム

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