中村佐知(JCFN理事、キリスト教書翻訳者、霊的同伴者)
今年は2月26日の灰の水曜日からレント(四旬節)が始まります。
レントとは「灰の水曜日」に始まり、復活祭に先立つ40日間の期間を指します。イエスが荒野で過ごされた40日間に倣うものであり、キリストの受難と死を黙想し、祈りと悔い改め、償いのための慈善のわざをもって主の復活に備える時です。
教会の伝統では、レントの期間中は肉類を断つなどの食事制限や、なんらかの愛徳のわざや節制を実践してきました。レントが近づくと、「今年は何を手放そうか。甘いものを断とうか、それともSNSを断とうか」といった具合に考えるかもしれません。なんらかの制限や節制を実践するかどうかは、各人が神様との間で決めることだと思いますが、シカゴにあるTransforming Centerのルース・ヘイリー・バートンは、レントに問うべきは、「今年はなにを手放そうか」にとどまるものではなく、「どのように悔い改め、どのようにして心を尽くして神のもとに立ち返るのか?」 であり、「私の生活のどの部分で、私は神から離れてしまっただろうか、どのような修練が、神のもとに立ち返るのを助けてくれるだろうか?」であると言います。
また、聖書学者の山﨑ランサム和彦先生は、このようにおっしゃっています。(https://1co1312.wordpress.com/2015/02/18/荒野の40日/)
レントはイエス・キリストの荒野での40日間を覚え、追体験する期間といえます。私たちがこの期間をどのように過ごすにしても、大切なことはそれを通して神の民・神の子としての自覚を深め、より深くキリストに根ざして生きていくことだと思います。
これまでにレントに特別なことをしたことのない方も、今年は、主の復活に備えるために、自分の生活の中で神や隣人をより愛することの妨げになっているものはなにかを吟味し、それについて神様の導きを求めるときとしてはいかがでしょうか。