コロナウィルスの脅威の中で、キリストの弟子であるということ

中村佐知(JCFN理事、霊的同伴者、キリスト教書翻訳者)

皆様、いかがお過ごしですか? 日本より一足遅く新型コロナウィルスへの対策が始まった米国では、現在いくつかの州で「外出禁止令」が出ており、学校や教会、レストランやイベント会場をはじめ、人が大勢集まるところはほとんど閉鎖されています。スーパーや散歩などで外出するときも、他の人との間に2メートルの距離を開けることを徹底するよう言われています。この十日ほどで急に状況が進み、皆とまどっています。日本ではこれから新年度に入り、休校だった学校も始まり、出勤も再開するところでしょうか。

突然訪れたこの状況の中で、多くの人が不安を抱えていることと思いますが、今朝、「コロナウィルスの脅威の中で、キリストの弟子であるということ」という記事を読んでいましたら、こんなくだりを見つけました。

このような状況でイエスに倣うとはどういうことだろうか。第一に私たちは、生きておられ、天で御座についておられるイエスの弟子であることを忘れてはなりません。…(中略)…「見よ、わたしは、世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます」と言われるイエスが、御霊とともに私たちのうちにとどまっておられます。一人きりになり、思いが内向きになる誘惑に駆られるとき、ともにおられるイエスに何度でも目を向けなおす必要があります。こういうときこそ、普段以上に、一日を通して、確かなキリストの御臨在のうちに励ましと愛の慰めと御霊の交わり(ピリピ2・1)を見つける習慣をつけなければなりません。…(中略)…私たちの主であり、救い主であり、友であり、恋人であるお方は、私たちに注意を払っておられます。人間の状況に、必要に、そして世界中の人々の必要に、注意を払っておられます。私たちもまた、イエスに注意を払おうではありませんか。もちろんニュースも見て情報を得て、自分や自分の周囲の人たちの必要にも注意を払います。しかしそれと同時に、イエスから目を離さず(ヘブル12・2)、上にあるものを思い(コロサイ3・2)、イエスにとどまる(ヨハネ15・4)ことを忘れないようにしましょう。 (中村私訳)

私たちが何に注意を払うのか、何に目を留めるのかは、私たちの感情、思考、行動、態度を左右します。(ピリピ4・8参照)上記のエッセイの著者は、コロナパンデミックのような状況の中にあっても、私たちがイエスに目を留め続けることを助ける修練として、呼吸の祈りや、一日を通して折にふれて立ち止まって主に心を向けること、主の祈りを朝、昼、晩と、黙想しながら祈ることなどを勧めていました。この講座を受講しておられる皆様にとって、このような修練は、すでに馴染みのあるものとなっていることと思います。このコロナパンデミックに関しても、何が私たちの境界線内にある私たちにできること、すべきことで、何が境界線の外にあり、私たちが思い悩んでも仕方のないこと、ただ良い主の御手に信頼すべきことなのか、それらを見分ける知恵を主に求めましょう。

前述のエッセイの著者は言います。

一日を通してキリストに目を向け、キリストの力強いまなざしを見つめるとは、単なる「良い考え」ではありません。イエスの弟子となるとは、イエスのやり方を学ぶことです。(マタイ11・28-30)私たちは、イエスの導きと信仰の先達たちの助けを借りて、日々の生活の只中においてもキリストと神の御国へと私たちの思いを向けなおすための、具体的な方法を持つことができるのです。

先行きが不透明で不安や恐れがあるとき、対応しなければならない数々の事案に追われて疲弊しているとき、それでもその只中におられて、私たちを励まし、助け、守ってくださるお方の御臨在に目を向けることができますように。それによって私たちのうちにある主のシャロームが、私たちを通して周囲の人たちの心を慰めることができますように。この講座で学んできた霊的修練(注)が、そのための助けとなればと思います。

 

(eLearning講座『霊的形成の観点から見る境界線』に投稿した記事の転載)

注:JCFNブログでもこれまでご紹介してきた様々な霊的修練を参照ください。

セントラル・カンファレンス(CC20)はオンラインに移行します。

【大切なおしらせ】

CC20はオンラインで開催されます!

CC20に参加を考えておられる皆さまへ。
主の御名をほめたたえます。
 現在、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、全世界でさまざまな対策がなされています。シカゴにも3/20に外出禁止令が発出され、多くの方がスケジュール変更を余儀なくされているところです。
 CCも例外ではありません。少し先の日程ではありますが、5/23~25にひとつの場所で集まり、顔を合わせて皆さんと共に礼拝し、交わりを深め、励まし合う時間を持つことが本当に御心にかなったことなのか、実行委員チームで考えました。
 アメリカではまだ感染拡大のピークを迎えていないこと、5月には収束に向かっていたとしても、集団感染のリスクは残ることが予想されること、遠方から参加される方々への配慮等、様々なことが話し合われました。それらを踏まえた上で、残念ながら今年のCCは、シカゴの会場で集まることを諦めた方が良いのではないかという結論に至りました。これは決して簡単な決断ではありませんでした。しかし、アメリカに住む日本人、日本人伝道に思いがある方々への励ましと交わりのために、CCは今必要なイベントだという確信があります。
 そこで、私たちが新たに決定したのは、ただシカゴの会場で集まることを中止にするのではなく、今年はインターネットを用いて主に喜んでいただける新たなCCを作り上げてゆくことでした。
 現段階で検討しているのは、シカゴのコアチームが賛美やメッセージを生配信するのはもちろん、小グループの交わりもZOOMを用いて行なう、より双方向的なものです。詳細はこれから実行委員チームで検討してゆきますので、ぜひ最善のものをおささげできるようにお祈りに覚えていただけると幸いです。そして皆さまにもぜひこの交わりに加わっていただきたいと願っています。
 この方向転換は、ウイルスへの恐れから決断したのではなく、神様への愛、隣人への愛をあらわすために下した決断でもあります(マタイ23:37-39, 1ヨハネ4:18)。また、今この状況下にあって神様の栄光を共にあらわし、共に礼拝する最もふさわしい方法であると、平安をもって受けとめることができました。そしてこの時にこそ、CC20のテーマである御霊と共に歩む生き方を知る必要を感じました。
 実行委員チームは、これからスケジュール等の細かい内容を詰めてゆきます。急な方向転換でまだ戸惑いもありますが、今だからこそ新しいものを作り上げられるチャンスと捉えて共に前進していきたいと願っています。主に忠実に仕えることができ、一致して進められるようにお祈りで支えていただければ幸いです。
 詳細は順次サイト等でアップデートしてゆく予定ですので、ぜひお見逃しなく!
感謝しつつ
2020年3月22日
CC20 実行委員長 秦裕樹

帰国者を理解するために(5)〜「どう接すればいいの?」帰国者は宇宙人?その4

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過去記事リンク

はじめに

1. 帰国者ってどんな人?

2. どう接すればいいの?ー「帰国者は宇宙人?」その1

3. どう接すればいいの?ー「帰国者は宇宙人?」その2

4. どう接すればいいの?ー「帰国者は宇宙人?」その3

 

3. どう接すればいいの? – 「帰国者は宇宙人?」その4

ポイント 4. どのような信仰の歩みをしてきたか? 受洗は? -続き#2

後半では「聖書を学びたい人は別室へどうぞ」と招きがあります。興味がある人はそ ちらへ移動します。そこで出会ったクリスチャンが自分の教会の礼拝や他の集会に求道 者を誘い、さらに導いていきます。英語力によってはどんどん本格的な求道を進めてい くこともできますが、同じような行動をしていても英語力が伴わなければ理解も進まな いものです。

 

また、アメリカでは超教派の団体による留学生伝道が盛んに行われています。大学の キャンパスの中で、留学生たちの英語のレポートを助けたり、車を買う手伝いや、引越 しの手伝いなどをしながら、友情を築き、徐々に福音を伝えていく、ということが良く あります。また、彼らは、パーティやイベントを通して友達をつくり、そして興味のあ る人たちにはバイブルスタディを提供しています。 「母と子の集い」といった集会をしている教会も多くあります。幼稚園に行く前の年令 の子供と母親が集って、一緒に遊ばせたり、母親同士が情報交換をする場になっていま す。ここでも英語教室のように、福音や聖書について語る場合とそうでない場合があり ます。このような集会をきっかけに受洗まで至る婦人も少なくありません。しかし求道 心があまり無く、英語力もそれ 程 でもない場合は、ただ活動に参加 していたというところで終わるこ とも多いでしょう。 それでも、帰国後教会に通いた いという思いが与えられれば、そ れはそれで感謝なことで、私たち としては「少しでも長く教会に通っ てくれれば」という思いで教会 紹 介をします。このような「求道者」 が「私は海外で教会に行っていま した。」と言った時、どのような 集 会か、どのような思いで集ってい たか、どの程度福音や聖書につい て聞いたか・理解したか、今日本 の教会に通うにあたって何を望ん でいるか等を聞き出せればいいの ではないでしょうか。海外で経験したものと似たような集会があれば、さらに通いやすくなるでしょう。

 

以上、帰国者の海外教会体験や現状を知るための4つのポイントについてお話しまし た。次に、海外で邦人伝道に携わるものとして、帰国者と日本の教会についての個人的 な所感をお分ちしたいと思います。

続く。。。

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